SOL、XRP、DOGE、週末の10億ドル超の清算後にアルトコインの回復を牽引 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• 米軍のイラン攻撃によるパニック売りのあと、暗号資産市場は反発しており、SOL、XRP、DOGEが回復の兆しを見せている。
• 週末には12億ドル（約1760億円、1ドル147円換算）を超える暗号資産の清算が発生し、BTCとETHが損失を主導。
• 市場の素早い反発は、地政学的な影響が局所的なものにとどまるという楽観論を反映していると、アナリストらは指摘。

米軍によるイランの核施設への攻撃をきっかけに週末にパニック売りが起こり、大量の清算を余儀なくされたあと、暗号資産トレーダーは反発モードにある。

アルトコインのなかで最も大きな打撃を受けたソラナ（SOL）、エックス・アール・ピー（XRP）、ドージコイン（DOGE）は、レバレッジを効かせた賭けがリセットされ、スポット購入が戻るにつれて回復の兆しを見せている。

市場のリセットで清算は一時停止

21日土曜日の5億9500万ドル（約875億円）の清算に加えて、暗号資産（仮想通貨）市場は過去24時間でさらに6億4200万ドル（約944億円）の清算を受け入れ、2日間の合計は12億ドル（約1764億円）を超えた。

ビットコイン（BTC）は2億3000万ドル（約338億円）の清算で損失をリードし、イーサリアム（ETH）は1億8800万ドル（約276億円）のロングポジションの清算でこれに続いた。一方、SOLは2800万ドル（約41億円）、XRPは2100万ドル（約31億円）、DOGEは2500万ドル（約37億円）を超える清算となった。

清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジポジションの証拠金要件を満たすことができない（取引を継続するための十分な資金がない）場合に発生する。

清算の連鎖は市場が極端な状況にあることを示すことが多く、こうした状況では、市場センチメントが一方向に行き過ぎ、価格反転が差し迫っている可能性がある。売却は、ドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領がイランの主要なウラン濃縮施設への組織的な攻撃を認めたことを受けて、21日遅くに始まった。

だが、23日には最悪の状況を乗り越えたように見える。BTCは10万1237ドルまで持ち直した。ETHは2236ドル付近で推移し、SOLは133ドルまで小幅に上昇。一方、XRPは2ドル超で取引され、DOGEは15セント前後で推移した。

日足チャートでは下落が続いていたが、この反発は押し目買いが急速に進んでいることを示唆している。アナリストらは、機関投資家からの資金流入とユースケースの増加により、一部のトークンは他のトークンよりも早く回復していると指摘している。

アルトコインが回復力を示す

「米イラン情勢が緊迫化したあと、BTCのボラティリティが注目されている一方、アルトコイン市場は強弱の分かれる兆しを見せている」とOSLの最高商務責任者（CCO）、ユージン・チャン（ユージン・チャン）氏はテレグラム（Telegram）のメッセージで述べた。

「ETHは、ETFへの資金流入が増加するなかで引き続き機関投資家の関心を集めている一方、SOLやその他のレイヤー1トークンは、ネットワーク活動の改善、開発者の採用、ETF承認への思惑から恩恵を受けている」とチャン氏は付け加えた。

市場の素早い反発は、地政学的な影響が局所的なものにとどまり、マクロ経済への波及効果が限定的であるという広範な見方を反映していると指摘する人もいる。

「市場は、イランとイスラエルの紛争が沈静化し、その経済的影響は局所的なものにとどまるだろうとかなり楽観視している」とLVRGリサーチ（LVRG Research）のディレクター、ニック・ラック（Nick Luck）氏は述べた。

「イランは政権の正当性を維持するために何らかの報復措置を取らざるを得ないと予想しているが、すべての当事者を長期にわたる紛争に巻き込むことを避けるため、そうした措置は限定的なものになるだろう」とラック氏は付け加えた。

それでも、リスクは依然として残る。イランが報復措置を取った場合、米国は「はるかに大規模な」軍事的対応をほのめかしており、ホルムズ海峡を通じた原油の流れが途絶えれば、より広範な市場を揺るがす可能性がある。

だが、回復のスピードは、暗号資産がマクロ的な上昇トレンドにあることを示唆しており、清算はエントリーポイントとみなすことができる。