## 現在のファンダメンタルズ:材料一巡でもみあい継続先週(8月4日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート) ・米ドル/円: 146.616円~148.088円 147.747円 ・ユーロ/米ドル:1.15275ドル~1.16984ドル 1.16412ドル ・ユーロ/円: 169.817円~172.337円 172.010円### 先週(8月4日週)の米ドル/円:米ドル/円にしては狭い値幅で横ばい日米の金融政策会合、大幅に下方修正された米雇用統計と前週(7月28日週)までに重要なイベントが一通り出揃った後の週ということもあって、先週(8月4日週)は、材料的には円相場に大きく影響を与えるものもなく、週間レンジは1円47銭と米ドル/円にしてはかなり狭い値幅でのもみあいが続きました。8月7日にはクーグラーFRB理事辞任後の空席にミランCEA委員長が1月末までの任期とした上で決定、時期FRB議長含みでの人事はその後となりました。また日米関税協議の修正も8月8日の東京朝方に米国側の合意が取れたことでひとまず安心というところです。なお自動車関税の引き下げについては米国側が英国を例に挙げ、合意後50日程度で発効するとのことで、合意の完全な実現にはまだ時間がかかりそうです。8月8日には自民党総裁選の前倒し実施の可能性が高まったとのことから円安に動く材料とされましたが、147円台後半での戻り売りも根強く、次の材料待ちという流れのまま一週間を終えています。次の材料としては米国CPIということになりますが、当面は米金利を見ながらの展開が続きやすいと言えるでしょう。### 先週(8月4日週)のユーロ/米ドル:前週の下げに対する調整の週先週(8月4日週)のユーロ/米ドルは、前週に大きく下げた動きに対して調整が入り、週半ばまでじり高の流れを続けました。8月7日には1.16984ドルの高値をつけましたが、1.17ドル超えにはユーロ売りのオーダーも並んでいたこともあり、それ以降週末までは1.16ドル台半ばでのもみあいを続けました。ユーロ/米ドルも週間レンジは171pipsと米ドル/円よりは動いたものの、全般に動きが鈍い週という印象で終わりました。ユーロ/円も同様で、前週の下げに対して調整の買い戻しが入ったことで172円台前半へと戻しています。## 米ドル/円チャート(週足)、米ドル高の中での短期もみあい局面長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。【図表1】米ドル/円(週足)出所:マネックストレーダーFX**【週足チャートの見方】**長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。 ・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある ・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。週足チャートでは、米ドル高の流れは変わりませんが7月21日週に下をトライして戻し、7月28日週は上をトライして押しと、2週連続でレンジ抜けを失敗。先週は狭いレンジでのもみあいで終わりました(図表1)。ただ、先週指摘したようにローソク足の足形でトンカチ(上ヒゲが長く実体が短い)が高値圏で出たため、上値に対しての警戒感の方がやや強いというところだと思います。短期的には日足チャートをご覧ください。## 米ドル/円チャート(日足)、8月1日にデッド・クロスも8日にゴールデン・クロス短期的な判断は日足で行います。【図表2】米ドル/円(日足)出所:マネックストレーダーFX**【日足チャートの見方】**短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。 ・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC ・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。米ドル/円は8月1日にデッド・クロスでいったんは上値が重くなりましたが、8月8日の上げでゴールデン・クロスとなりました(図表2)。週足が買い、日足でゴールデン・クロスとなると本来であれば絶好の買い場と考えるのですが、先週のレンジが狭くもみあいになっていることから、すぐにデッド・クロスに転じる可能性もあります。現状は黄色のレジスタンスラインと青のサポートラインとの間での調整局面にあり、どちらかに明確に抜けるまでは方向感が出にくい状態です。## ユーロ/米ドルは買いトレンド継続も上値も重いユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=ユーロ買い継続出所:マネックストレーダーFX【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=5日にGCに転換出所:マネックストレーダーFX週足チャート(図表3)は移動平均線を上回った状態を維持し、3月以降の上昇ウェッジの中で緩やかな上昇トレンドを継続している状態です。また日足チャート(図表4)では8月5日にゴールデン・クロスに転換したことで、現状は短期ユーロ買いの流れが続いています。1.17ドルのユーロ売りが上値を抑えていますが、同水準を超えた場合でも年初来高値からのレジスタンスライン(青)があり、今週は1.17ドル台半ばから前半へと下げていますので、ここからの上値余地は限定的とも言えます。値幅が狭い時にはクロスが発生したらすぐについていくスタンスが良いでしょう。## ユーロ/円の週足は10週間ぶり陰線の後、陽線に先週はユーロ/円が一番動いた印象です。【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=ユーロ買い出所:マネックストレーダーFXユーロ/円週足では7月28日週の10週ぶりの陰線の後は改めて買いが強まり、先週は陽線に戻しています(図表5)。一度大きめの調整が入ったことで以前の買いトレンドに戻りやすい地合いにあります。【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=ユーロ買い(8月5日にゴールデン・クロス転換)出所:マネックストレーダーFX日足チャート(図表6)では7月29日のデッド・クロスを挟んで8月5日に改めてゴールデン・クロスが出現、ユーロ/円は買いトレンドに回帰した流れにあると判断できます。米ドル/円はもみあいの動きとなっていますが、ユーロ/米ドルがやや底堅い動きを続けることでユーロ/円は押し目買いが出やすい地合いです。直近高値と安値とのフィボナッチ・リトレースメントを引いてありますが、ここまでは61.8%戻しの172.299円水準で上値を抑えられています。おそらく、一度は抜けて次のターゲットとなる76.4%戻し172.907円をトライする展開を考えます。それでは今週も良いトレードを!
【為替】次の材料探し、まずは8月12日米国CPIに注目 | 今週の為替相場予想(テクニカル分析) | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
現在のファンダメンタルズ:材料一巡でもみあい継続
先週(8月4日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 146.616円~148.088円 147.747円
・ユーロ/米ドル:1.15275ドル~1.16984ドル 1.16412ドル
・ユーロ/円: 169.817円~172.337円 172.010円
先週(8月4日週)の米ドル/円:米ドル/円にしては狭い値幅で横ばい
日米の金融政策会合、大幅に下方修正された米雇用統計と前週(7月28日週)までに重要なイベントが一通り出揃った後の週ということもあって、先週(8月4日週)は、材料的には円相場に大きく影響を与えるものもなく、週間レンジは1円47銭と米ドル/円にしてはかなり狭い値幅でのもみあいが続きました。
8月7日にはクーグラーFRB理事辞任後の空席にミランCEA委員長が1月末までの任期とした上で決定、時期FRB議長含みでの人事はその後となりました。また日米関税協議の修正も8月8日の東京朝方に米国側の合意が取れたことでひとまず安心というところです。なお自動車関税の引き下げについては米国側が英国を例に挙げ、合意後50日程度で発効するとのことで、合意の完全な実現にはまだ時間がかかりそうです。
8月8日には自民党総裁選の前倒し実施の可能性が高まったとのことから円安に動く材料とされましたが、147円台後半での戻り売りも根強く、次の材料待ちという流れのまま一週間を終えています。次の材料としては米国CPIということになりますが、当面は米金利を見ながらの展開が続きやすいと言えるでしょう。
先週(8月4日週)のユーロ/米ドル:前週の下げに対する調整の週
先週(8月4日週)のユーロ/米ドルは、前週に大きく下げた動きに対して調整が入り、週半ばまでじり高の流れを続けました。8月7日には1.16984ドルの高値をつけましたが、1.17ドル超えにはユーロ売りのオーダーも並んでいたこともあり、それ以降週末までは1.16ドル台半ばでのもみあいを続けました。
ユーロ/米ドルも週間レンジは171pipsと米ドル/円よりは動いたものの、全般に動きが鈍い週という印象で終わりました。ユーロ/円も同様で、前週の下げに対して調整の買い戻しが入ったことで172円台前半へと戻しています。
米ドル/円チャート(週足)、米ドル高の中での短期もみあい局面
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
**【週足チャートの見方】**長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。週足チャートでは、米ドル高の流れは変わりませんが7月21日週に下をトライして戻し、7月28日週は上をトライして押しと、2週連続でレンジ抜けを失敗。先週は狭いレンジでのもみあいで終わりました(図表1)。ただ、先週指摘したようにローソク足の足形でトンカチ(上ヒゲが長く実体が短い)が高値圏で出たため、上値に対しての警戒感の方がやや強いというところだと思います。
短期的には日足チャートをご覧ください。
米ドル/円チャート(日足)、8月1日にデッド・クロスも8日にゴールデン・クロス
短期的な判断は日足で行います。
【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
**【日足チャートの見方】**短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。米ドル/円は8月1日にデッド・クロスでいったんは上値が重くなりましたが、8月8日の上げでゴールデン・クロスとなりました(図表2)。週足が買い、日足でゴールデン・クロスとなると本来であれば絶好の買い場と考えるのですが、先週のレンジが狭くもみあいになっていることから、すぐにデッド・クロスに転じる可能性もあります。現状は黄色のレジスタンスラインと青のサポートラインとの間での調整局面にあり、どちらかに明確に抜けるまでは方向感が出にくい状態です。
ユーロ/米ドルは買いトレンド継続も上値も重い
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=ユーロ買い継続
出所:マネックストレーダーFX
【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=5日にGCに転換
出所:マネックストレーダーFX
週足チャート(図表3)は移動平均線を上回った状態を維持し、3月以降の上昇ウェッジの中で緩やかな上昇トレンドを継続している状態です。
また日足チャート(図表4)では8月5日にゴールデン・クロスに転換したことで、現状は短期ユーロ買いの流れが続いています。1.17ドルのユーロ売りが上値を抑えていますが、同水準を超えた場合でも年初来高値からのレジスタンスライン(青)があり、今週は1.17ドル台半ばから前半へと下げていますので、ここからの上値余地は限定的とも言えます。値幅が狭い時にはクロスが発生したらすぐについていくスタンスが良いでしょう。
ユーロ/円の週足は10週間ぶり陰線の後、陽線に
先週はユーロ/円が一番動いた印象です。
【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=ユーロ買い
出所:マネックストレーダーFX
ユーロ/円週足では7月28日週の10週ぶりの陰線の後は改めて買いが強まり、先週は陽線に戻しています(図表5)。一度大きめの調整が入ったことで以前の買いトレンドに戻りやすい地合いにあります。
【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=ユーロ買い(8月5日にゴールデン・クロス転換)
出所:マネックストレーダーFX
日足チャート(図表6)では7月29日のデッド・クロスを挟んで8月5日に改めてゴールデン・クロスが出現、ユーロ/円は買いトレンドに回帰した流れにあると判断できます。米ドル/円はもみあいの動きとなっていますが、ユーロ/米ドルがやや底堅い動きを続けることでユーロ/円は押し目買いが出やすい地合いです。直近高値と安値とのフィボナッチ・リトレースメントを引いてありますが、ここまでは61.8%戻しの172.299円水準で上値を抑えられています。おそらく、一度は抜けて次のターゲットとなる76.4%戻し172.907円をトライする展開を考えます。
それでは今週も良いトレードを!